2009.11.26 Thursday
結びの果もの【むすびのくだもの】
おかげさまをもちまして、臨江寺での活動写真手廻し上映は、
好天気に恵まれ、満員御礼の中無事お開きとなりました。 お出でいただいた方々は、歩いて数分というご近所の方から、バスや電車を乗り継いで遠路はるばるという方、さらにはリヤカーを引いての方までおられた模様で、 年齢も5才のお子様から、80才を越える御仁までと幅広く、その装いは着物姿に洋服姿と、まさに老若男女、和洋折衷、新や旧や遠や近と、あらゆる方々が一同に会された催しとなりました。 臨江寺の庭に狸はいませんでしたが、受付の時間に顔をみせた猫が一匹おりました。 ご来場くださった方、またご協力くださった方、そして本堂を使わせて下さった臨江寺さん、本当にありがとうございました。 かねてから貿易や交通の要であった堺の、様々な人々が集うお寺という処で、このように和やかなひと時を皆様と過ごせたことを嬉しく思います。 畳の下で、手のひらを広げて下さっていたお釈迦様にも感謝です。 さてさて今回、皆様にはアンケートのご協力をお願いしまして、 その中で、お気に入りの作品をチェックしてもらう項目があったのですが、 集計結果が出ましたので、ここに上位3作を発表させていただきます。 3位「スーパーマンシリーズ 探鉱埋没の巻」28票 2位「化物(仮題)」31票 そして、栄えある1位は、 「正チャンの地獄探検」41票 「スーパーマンシリーズ探鉱埋没の巻」は、戦後に販売されたライオンスライドの幻燈フィルム。 紙芝居のように一コマ一コマ止めて楽しむスライドショー。 今回が初の御披露目でした。 探鉱埋没という、当時としては頻繁にあったのであろう事故の解決に、スーパーマンが着のみ着のまま駆けつける。 スリル満点かと思いきや、登場人物が発する 「あのスーパーマンはいやにうすぎたないな」 という吹き出しで、会場からは笑いの声が。 幻燈フィルム作品は他にも脱力感みなぎるものが多く、一度幻燈フィルムだけの上映会を催したいくらいです。 「化物(仮題)」は、居間にて正座する書生さん、文机に手炙り、和時計や掛け軸と、純和風の一コマが連続する作品。 しかし、いくらクランクを回しても動きがなく、おそらく、それに退屈した当時のフィルムの持ち主が、墨で「化物」の落書きを施した珍しい作品。 111コマという短い短い断片のため、映画初期の、また手廻しならではの上映方法、ループ状にして繰り返し見ていただく事で、その魅力や可能性がさらに広がりをみせます。 カイロプティック商會の所蔵する玩具フィルム作品の中で、一、二を争う人気作の「正チャンの地獄探検」。 大正12年に作・織田小星、画・樺島勝一の手によって生まれた正チャンですが、この作品がお二人の作かどうかは定かではなく、タイトルもエンドもなく、いきなり始まり唐突に終わる断片フィルム。 以前は「正チャンの動物地獄(仮題)」として上映していましたが、ネットオークションにて、「正チャンの地獄探検」とタイトルがついたものが出品されていたことで、玩具フィルムとしての作品名は判明しました。が、落札はならず。まだまだ謎だらけの正チャン。 今回は他にも、上映するには断片すぎて不明な点も多いフィルムを、何本かまとめてご披露するという試みも行ってみたのですが、今後もまだ日の目を浴びていない作品に説明やセリフをつけて、一本でも多くご紹介していきたいと思っています。 名作珍作、アニメに時代劇に新派劇、戦争ものに外国映画、ニュースなどなどなど、フィルムいろいろとございます。 合理化やデジタル化が進み、極めて短いサイクルで物が寿命を迎えていく世の中ながら、私どもカイロプティック商會はまだまだ手廻しにてご覧いただく所存です。 なにぶん光量乏しく、劣化の多きところもございますが、それらも含めての時の移ろいを体験していただけたらと思っています。 皆様のまたのご来場、心よりお待ち申し上げております。
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